大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26年(オ)70号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(要旨)

借地権の登記がなく、地上建物の登記もない以上、右土地を買受けた第三者に対しては、たとい第三者が買受当時、借地権及び建物の存在することを知つていても、それだけでは借地権をもつて対抗することはできない。

(説明)

被告は訴外人から本件土地を借受け、地上に建物を所有していたが、借地権の登記も建物の登記もしていなかつたところ、原告は訴外人から右土地を買受け、所有権に基き被告に対し建物收去土地明渡を訴求したのが本件。一、二審とも被告敗訴。被告は上告して「原告は本件土地買受当時、右地上に建物及び借地権の存することを知つていたから、当然借地権の対抗を受くべきである」と主張し、大判昭二・一〇・一八(判例體系債權各論中一三三五頁所載)を利益に援用した。最高裁は「論旨引用の判例は本件に適切でない、大審院昭和一五年(オ)七九七号同年一〇月一五日言渡判決参照」と判示して上告を棄却した。右最高裁の踏襲した判例は「土地ノ賃貸借ハソノ登記アルカ又ハ該地上建物ニツキ保存登記アルニ非サレハ之ヲ以テ右土地ヲ讓受ケタル新所有者ニ対抗シ得サルモノトスコノ理ハ新所有者カ賃貸借ノ存スル事実ヲ知リ乍ラ土地ヲ讓受ケタル場合ニ於テモ異ルコトナク上告人引用ノ当院判決〔註、本件論旨引用のものと同じ〕ハ毫モコノ趣旨ニ反スルモノニ非ス」(前掲判例体系一三二一頁所載)。

この問題は立法論としては確かに考究の余地もあり、また別に原告側に権利濫用と目すべき特別の事情でもあれば兎に角、論旨のいう事情だけでは現行法(建物保護法)の解釈論としては判旨当然というの外はない。

なおこの問題については、広瀨、借地借家法コンメンタール一五頁、幾代、宅地賃借権の対抗要件(法曹時報三卷五號所收)等参照。 (以上、土井調査官)

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